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お墓参りの豆知識~水の華?水塔婆?~

お墓参りの豆知識

~水の華?水塔婆?~



柄杓でパシャリ。

お墓に水は付きものです。これには、どんな意味か考えたことありますか?

 これは、「水向け」というもので、実は簡単な「お施餓鬼 」なのです。お施餓鬼は9月22日に正定寺でも「山門施餓鬼・秋季彼岸会法要」として盛大に行いますが、もっとも簡略にしたものが、水向けです。

正定寺の檀家さんは、家法事の後にお墓にお参りしますが、その時に持って行く物として線香や蝋燭と同じように『水の華』を持って行かれます。


この水の華とは火が通っても食べられるもの(洗米・小豆・なす・きゅうりなど)を細かくして、お墓の周りに撒き供養します。これも施餓鬼法要を簡略にしたものです。

 お施餓鬼はいわゆる「餓鬼」に施しをする法要。

餓鬼は餓鬼道に墜ち、我々には見えないけれども飢えに苦しんでいて、彼らは普通の飲み物・食べ物が口に出来ず、のども細くなってしまっています。普通のものを食べようとすると、のど元から火が出て食べられず、普段は泥水をすすって飢えをしのいでいるそうです。お施餓鬼の法要ではそんな彼らのために、色々な経を唱えて食べ物を清め、増やして施しをします。苦しむ者を助け、大きな功徳になるとされています。 

 仏さまの象徴であるところの塔婆に掛けた水は、清められて餓鬼でも呑むことができるのだそうです。

 皆さんのお家のお墓の前に、ちょっとくぼんだ部分がありませんか?





 これは、水向け用の水盤です。

 ここに水を注いだり、或いは石塔から滴った水がここにたまると、餓鬼さん達もその冷たいお水を飲むことができる、という訳です。

 そして、山門施餓鬼を希望された方には水塔婆をお渡ししています。これも実は水向けをするため


にある塔婆です。 くぼみに水塔婆を立てたり置いたりして、そこに水を注ぎます。

 お仏壇やお墓にみなさんお供えされますが、実はそのお供えは直接ご先祖様には届きません。我々がご先祖様の世界に行けないように、供物も行けないからです。では何故お供えをするかと言えば、これは仏さま、つまり、お釈迦さまやお地蔵さまにお供えをしているのです。それが善行として功徳となり、来世で頑張っているご先祖様に届けられるのです。

 お供えものを供えることを供養と言います。供養をした功徳は自分に返ってくるはずなのですが、その功徳をご先祖様などにお届けすることを回向と言います。

 ご先祖様にはこういう形でないとお供えを届けられないと言われています。

 それに比べて、お施餓鬼は直接餓鬼を供養することが出来るのでなかなか有り難い法要なのです。もちろんご先祖様は餓鬼道へはいっておられないでしょうから、お施餓鬼をした大いなる功徳を回し向けてあげるわけです。水向けも同じ事です。

もちろんご先祖様へ届けるお気持ちで仏壇やお墓にお供養をして頂ければ、自然と仏さまがご先祖さまに差し向けてくれると思います。




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