正定寺の大般若会
大般若会のご説明
孫悟空をお伴に連れ、遙か天竺(インド)に経典を求めて旅をする三蔵法師。
あの有名な西遊記は三蔵法師の徳を讃えた物語です。
三蔵法師は、正しくは〈玄奘三蔵法師〉 と云う中国の実在の人物です。
三蔵法師により伝えられた沢山の経典の中に、あの有名な《般若心経》の基になった
「大般若波羅蜜多経六百巻」があります。
法師が長い年月を費やして翻訳されたこの経典は、中国を初め日本でも古くから除災招福の功徳があるとされ
ています。
佐伯藩主・毛利伊勢守から賜った現在地に正定寺が再建された、元禄8年(1695)に第五世活門和尚が
新春1月16日に法要したのが正定寺大般若会の始まりとされています。
現在は、1月20日の大寒に行われ、300年の間、厄除け法要として続いています。
大般若札のご説明
お札は、六十億四千万字にのぼる「大般若波羅蜜多経六百巻」の祈祷札です。
玄関など人の出入りする場所にお祀り(張る)して、お札が家内を見渡し、お札の下を行き来して、大魔を払うよう
に致します。
大般若札を授かりたい檀信徒・関係者はご連絡いただければ郵送をいたします。
大般若経は全600巻に分かれていて、経櫃(教典を入れる箱)が12個(12支)にそれぞれ25巻ずつ
納められて正月・5月・9月に法要が行われます。
嘉永元年169年前に新調された大般若経櫃
(現在は使用していません)
現存する正定寺の大般若経は嘉永元年(1848)に正定寺第17代雄峯和尚の代に揃えられました。
発起人は伊豫國の元亮という方です。
この大般若経を求めるには多額の浄財を必要としますので、檀信徒に寄付をお願いして、
それぞれの巻末に寄付者の氏名を記しています。
現在の大般若経は第23世晋山式における特別寄付者や檀信徒寄付金の余剰を元に
昭和58年の第1回総代会(当時会長 小野農一さん)で新調された「高麗版」の大般若経を使用しています。
赤木(長野)・仁田原(椛ケ原・岸ノ上)の寄付者名
嘉永元年(1848)の時代の寄付者
嘉永元年に大般若経へ寄付したことの「覚書」